「働き方ウェルビーイング・ラボ」1

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ウェルビーイングとは?今注目されている理由と重要性について

ウェルビーイング(Well-being)は、人々が自分の生活や状況に対して感じる幸福感や満足感、心身の健康を総合的に示す概念で、心身の健康、幸福感、仕事の満足度など、私たちの生活のあらゆる側面に関連しています。身体的な健康だけでなく、精神的な安定や社会的なつながりも含まれます。例えば、ストレスの少ない環境で働くことで、仕事の満足度が高まり、それが精神的な幸福感にも繋がります。

逆に、心の健康が損なわれると、身体の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

このブログでは、ウェルビーイングの多面的な意味を探り、それぞれの要素がどのように相互に関連しているかを解説します。

読者の皆さんが、自分自身のウェルビーイングを向上させるヒントを見つける一助となれば幸いです。

ウェルビーイングの基本概念

アメリカのギャラップ社(世論調査研究所)が提唱する 5つの要素についてご紹介します。

ギャラップ社のウェルビーイングの5つの要素は、個人の総合的な幸福感と健康を評価するために開発され、次の5つの主要な要素で構成されています。


キャリアウェルビーイング(Career Wellbeing)

キャリアウェルビーイングは、仕事や日々の活動にどれだけのやりがいや満足感を感じているかを示します。
これは、自分の才能や強みを活かして充実感を得られる仕事をしているかどうかが重要です。
キャリアウェルビーイングが高い人は、職場でのモチベーションが高く、仕事に対する熱意が強い傾向にあります。


ソーシャルウェルビーイング(Social Wellbeing)

ソーシャルウェルビーイングは、人間関係の質と量を示します。
これは、友人や家族、同僚などとの強固な関係があるかどうかに関わります。
ソーシャルウェルビーイングが高い人は、サポートネットワークが充実しており、
精神的な安定感を得やすくなります。


ファイナンシャルウェルビーイング(Financial Wellbeing)

ファイナンシャルウェルビーイングは、経済的な安定と未来に対する安心感を指します。
これは、収入の額だけでなく、経済的な計画や支出の管理、
将来に対する財政的な備えができているかどうかが含まれます。
ファイナンシャルウェルビーイングが高い人は、
金銭的なストレスが少なく、生活全般での満足感が高いです。


フィジカルウェルビーイング(Physical Wellbeing)

フィジカルウェルビーイングは、身体的な健康と日常のエネルギーレベルを示します。これには、定期的な運動、適切な栄養摂取、十分な休息、健康的なライフスタイルが含まれます。フィジカルウェルビーイングが高い人は、病気にかかりにくく、全般的に活動的でエネルギッシュな生活を送っています。


コミュニティウェルビーイング(Community Wellbeing)

コミュニティウェルビーイングは、住んでいる地域社会への満足度と関与度を指します。
これは、地域活動への参加、ボランティア活動、地域社会とのつながりが含まれます。
コミュニティウェルビーイングが高い人は、
地域社会での繋がりが強く、他者との協力や助け合いを通じて高い充実感を得ています。


これらの5つの要素は互いに関連しており、バランス良く高めることで個人の総合的なウェルビーイングを向上させることができます。たとえば、仕事での満足感(キャリアウェルビーイング)を高めることは、経済的な安定(ファイナンシャルウェルビーイング)や身体的な健康(フィジカルウェルビーイング)にも良い影響を与えることが多いです。ギャラップ社のウェルビーイングフレームワークは、個人が自己の幸福を多角的に評価し、向上させるための有用なガイドラインとなります。

参考文献
  • Gallup’s Wellbeing 5 Element

ウェルビーイングに対する政府の取り組み

日本政府でも、ウェルビーイングを多角的に把握し、政策運営に活かすための調査を行っています。
特に、新型コロナウイルス感染症の影響下での生活意識や行動の変化についても調査し、
テレワークや地方移住、生活満足度など、以下のような変化があったそうです。

テレワークの普及:
パンデミックの期間中、多くの企業がテレワークを導入しました。これにより、労働環境が大きく変わり、通勤時間の削減やワークライフバランスの改善が見られました。

地方移住への関心の高まり:
テレワークの普及に伴い、都市部から地方への移住を検討する人が増加しました。これには、広い住環境や自然環境の中で生活したいというニーズが背景にあります。

家族と過ごす時間の増加:
自宅での時間が増えたことにより、家族との交流が増え、家族関係の改善が報告されました。

生活満足度の変化:
一部では生活満足度の向上が見られましたが、同時に経済的な不安や孤独感の増加も報告され、全体的な生活満足度にはばらつきが見られました。

政府はこれらの調査結果を基に、以下のように政策を進めています。

テレワーク推進のためのインフラ整備:
テレワークを継続・推進するために、通信インフラの整備や企業への支援を強化しています。また、労働法の改正や新たなガイドラインの策定も進めています。

地方創生政策の強化:
地方移住のニーズを受けて、地方自治体との連携を強化し、移住促進のための支援策を展開しています。これには、移住者向けの住宅支援や就業支援が含まれます。

メンタルヘルス支援の充実:
孤独感やストレスの増加に対応するため、メンタルヘルスの支援体制を強化しています。具体的には、相談窓口の設置やオンラインカウンセリングの普及を進めています。

生活支援策の拡充:
経済的な不安に対しては、生活支援策や補助金の充実を図り、生活の安定を目指しています。

これらの取り組みは、内閣府が実施する調査結果を基に策定されています。

    次回はキャリアウェルビーイングについて、さらに詳しくご紹介いたします。